ふたり狂い:真梨 幸子

著: €真梨 幸子

【あらすじ】
この小説は自分のことを書いていると思いつめた男の危険な行動(「エロトマニア」)、マンションの惨劇がフラッシュバックして襲いかかる女の苦脳(「デジャヴュ」)、何者かが人の記憶操作をしていると勘繰った女の疑念(「ゴールデンアップル」)―正常な日常が歪んだ世界へ徐々にずれてゆき、狂気が複雑に絡み合う。人が壊れゆくその瞬間をじわりとあぶり出し、どろりとえぐり出す、渾身の連作短篇。


【感想】
個人のちょっとした勘違いが大きな狂気に変わっていくという地味に怖い感じです。心理学用語から想起されるキーワードを題材に書かれた8つの連作短編集。独立した短編ミステリーとしても成立するのですが、実は全8話は連作としても繋がるという構成。また、中途半端な状態で終わった短編の謎が別の短編で解けていたり、脇役だった人物が別の話で主役になっていたり思わぬところで顔を出していたりするので、何度もページが行ったり来たりしまい、意外と読むのに時間がかかりました。

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